「くそっ不味いな…」



珍しく余裕の無い調子でそう独り言を呟いたのは立花仙蔵

場所はとある町の片隅

時刻は丁度夜八時を過ぎた頃だろうか

辺りにはぽつりぽつりと外灯が見えるだけになっている

学園長からの使いで外に出ていたのだが、帰りに色々とあり追われる身となってしまった

何とか逃げ切ったは良いものの、気付けば忍術学園とは反対方向にある小さな町まで来てしまっていた



「………」



仙蔵は誰も居ない道を静かに歩きながら考える

何にせよ今日中に学園に戻るのはどう考えても無理だろう

宿を取ろうにもこの時間からでは宿は取れなさそうだしそもそもこの町には宿自体が無いようだ

しかし追手を巻く際に著しく体力を消耗してしまったせいで、夜通し歩くのは難しい



「私とした事が…」



一人でそう嘆いてみても誰も助けてはくれない

ひとまず足を止めて休んでいたところ、背にしていた壁から肩を叩かれた



「!?」



仙蔵は驚いてその場から飛びのく

そして自分の肩を叩いた壁をみると、壁だと思っていたのはどうやら民家の扉だったらしく

見知らぬ少女が不思議そうに仙蔵を見つめていた



「あの…」



少女は呟くように仙蔵に話しかける



「何かお困りですか?」



おずおずとそう尋ねられ、仙蔵は思わず黙り込んだ

あまりの邪気の無さに気配を感じなかったのだろうか

今自分を見つめるこの少女を信用しても良いのだろうか

仙蔵は自問しつつもう1度少女をよく見るが、どう見ても悪事を考えているようには見えなかった



「あの、この町に先程迷い込んでしまって宿を探してたんですが…」

「そうだったんですか、残念ですがこの辺には宿が無いんですよ。ぁ、とりあえず中に入ってください」

「えっ…あっちょっ……」



少女は戸惑う仙蔵の手を引き、自分の家へと仙蔵を招き入れた



「こんな暗い中大変だったでしょう」



少女は家の戸を閉めて、仙蔵の方を振り返りにっこりと笑う



「いえ…」



仙蔵は呆気に取られながらやっとそれだけ口にする



「でもこんな所に迷い込むなんて、山賊にでも追われていたんですか?」

「えぇ…まぁ…」



少女の言葉に仙蔵は曖昧に返事をする

すると少女は小さく笑って呟いた



「貴女みたいに綺麗な人は用心しないと駄目ですよ」

「え?」



仙蔵はその妙な言葉を聞き、やっと自分の身なりを思い出した



「この辺は昼間は活気があって良い町なんですけど、夜はたまにならず者がやって来たりするんです」



少女は苦笑しながら仙蔵に告げる

仙蔵はこの少女が無防備にも自分を家に招いた意味がやっと理解出来た

今の仙蔵は薄い桃色の着物に身を包み、髪の毛を後ろで一つに結っている

普段の姿でも女と間違えられる仙蔵の姿は、今は誰が何をどう見ても女性以外の何者でもなかった



「あの、貴女のお名前は?」

「え……」



少女の問いに仙蔵は一瞬答えに困る



「あ、言いたくないならそれでも良いんですけど…」



少女は慌ててそう付け足す

仙蔵は決して名乗りたくない訳ではない

ただ本名を名乗れば自分が男である事がバレてしまう

そうすればこの少女に警戒されてしまうだろう

そう考えた次の瞬間、仙蔵はにっこりと微笑むと少女に答えた



「仙子…お仙と呼んでください」



仙蔵がそう答えると、少女の顔がパっと晴れる



「お仙さん?可愛い名前ですね」

「ありがとう、貴女は?」

「あ、私はと言います、よろしく」



はそう言うと仙蔵の両手を握り人懐っこい笑顔で微笑んだ

そんな笑顔に仙蔵もつられて微笑む



「あ、そうだ」



仙蔵の両手を離し、は玄関脇の扉を引いた



「さっき丁度お湯を張った所なんで、良かったら入りませんか?」

「え、でも…」

「遠慮しないで下さい。今日はもう外に出ては危ないでしょうし、どうぞ泊まって行って下さい」



はそう尋ねると、未だ戸惑っている仙蔵を見た



「あの、それじゃぁ…お言葉に甘えて…」



仙蔵はの好意を素直に受け取る事にし、促されるままに風呂場へと向かった



「はい、ごゆっくり」



は相変わらず嬉しそうにに笑うと、仙蔵を見送った



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「…………」



仙蔵はお湯につかりながら長いため息を吐く



「とりあえず助かった…」



予想外の出来事が多く起きたとは言え、一晩を過ごす場所が確保出来た

自分を女性だとに嘘を付いている事には気が引けたが、今はそんな事は言っていられない



「あの子には悪いが…、利用させて貰うとするか」



仙蔵は短くもう一度ため息を付くと、勢い良くお湯から上がった



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「あ、お仙さん、湯加減はどうでした?」



風呂場を出るとが仙蔵の方を振り返りにこやかに訪ねてきた



「えぇ、とても気持ち良かったです」



仙蔵も同じ様ににこりと笑いながら、極力女らしい仕草でそう答える



「良かった。そう言えばお仙さんお腹は空いてませんか?」

「え?」

「私、今日は色々忙しくてまだ夕飯を食べてなくて…」



は少し恥ずかしそうに笑いながら目の前の鍋を指差す



「お風呂だけでなく夕飯の邪魔をしてしまったんですね、ごめんなさい…」



仙蔵がに謝ると、は慌てて首を左右に振った



「そんな事良いんです、ただもし良ければ一緒に食べないかと思っただけで…」

「でも…そこまでお世話にはなれませんよ」

「お世話じゃなくて…どちらかと言うとお願い、なんですけど」



遠慮する仙蔵には苦笑して呟く



「お願い…?」



その言葉を不思議に思い仙蔵が反芻すると、は少しためらった後小さく語り出した



「この辺は…さっきも話した様に昼間はとても良い所なんです…」

「………」

「明るくて活気があって住むには最適です、でも……」



そう言うとは顔を曇らせる



「夜になると一変して山賊や他の界隈からならず者がやって来るんです」

「そうだったんですか…」

「はい、だから私と同じ様な年の娘はこの近所には一人も居なくて…」



は顔を上げて仙蔵を見つめる



「長い間似た年齢の女の人とは縁遠かったから、お仙さんみたいな綺麗な人と久々にお話出来て嬉しいんです」

さん…」



は心底嬉しそうな顔でにこにこと微笑んでいる

仙蔵は気まずい様なくすぐったい様な思いでを見つめた



「あの…ですから…、折角ですし一緒に食べてくれませんか?」



は仙蔵と視線が合うとおずおずと尋ねた



「…えぇもちろん、お言葉に甘えてご馳走になります」



世話になっているのは自分の方なのに、と仙蔵は苦笑しながらの申し出を承諾する



「良かった、それじゃぁどうぞたくさん食べて下さいね」

「えぇ、頂きます」



仙蔵の言葉聞いて安心したのか、は一段と嬉しそうに仙蔵の茶碗に飯をよそった



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仙蔵はごろりと寝返りを打って天井を見上げる



「…………」



結局あの後、仙蔵は夕飯をご馳走になり、と他愛無い話で盛り上がった

流石に一人で暮らしているだけあってしっかりしていて、柔らかな物腰の中にも芯の強さが覗えた

仙蔵の知るくの一の女とはまた違いやや幼い部分も見られたが、仙蔵にはそれが逆に新鮮だった



「…それにしても……」



はぁ、と仙蔵は静かにため息をつく

チラリと隣を見れば数センチ離れた布団にがすやすやと寝息を立てている

元々一人暮らし用の家だから、当然部屋はそう幾つも無い

そして仙蔵は今女性としてここに居るのだから、一緒の部屋に寝泊りする事はにとっては何も問題無い



「問題は…無いのだが…」



どうも落ち着かない

仙蔵はゆっくりと寝返りを打ってに背を向ける



「……妙な事になったな…」



小さな声で誰にともなくそう呟くと、仙蔵は目を閉じた



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「おはよう御座いますお仙さん」

「ぉ、おはよう御座います…」

「どうしました?」

「いや…、早いんですね…起きるの」



早朝

仙蔵が起きるとは既に身支度を済まし朝食の用意をしていた

仙蔵はが起きる前に去ろうと思い、割と早くに目を覚ましたつもりだったが先を越された

仙蔵が寝坊助なのではなく、が異常に早かっただけだ

はテキパキと朝食の準備をしながらにこにこと説明する



「えぇ、いつもこの位の時間には目が覚めてしまうんですよ」

「はぁ…」

「仕事は昼からなのでこんなに早く起きる必要は無いんですけどね」

「仕事?」



仙蔵はの動きをどこかぼんやりした目で見つめながら訪ねた



「私、普段は近くの呉服屋で働いてるんです」

「そうなんですか」

「はい、あ、そろそろ朝食の用意が出来ますからどうぞ座ってて下さい」

「いえそんな…、そこまでお世話になる訳には…」



仙蔵の言葉には小さく笑う



「お仙さんって本当に良い人なんですね」



仙蔵はの言う意味が解らず首を傾げる



「良い人…?」

「えぇ、実はあの時間にこんな辺鄙な場所に来るなんて珍しいなって最初は少し疑ってたんですけど…」



はそう言うと仙蔵の顔を見て苦笑した



「お仙さんみたいな良い人を疑うなんて…、私が間違ってました」

さん…」



何処までも無垢な微笑みに思わず仙蔵は息を呑む

はそんな仙蔵に気付きもせず忙しそうに朝食の支度をしている



「さぁ、用意出来ましたから冷めちゃう前に食べましょう」

「えぇ…、頂きます」



お盆を両手で持ちながらにっこり笑うの誘いを断れる訳もなく、仙蔵はちゃぶ台の前に座った



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「お仙さん、もう帰ってしまうんですよね」



二人してちゃぶ台を囲って朝食を食べている途中、がふと呟いた



「はい、流石に戻らないと他の者も心配しますから…」

「でも迷い込んだって言ってましたけど、帰り道とか大丈夫ですか?」

「あぁ…、えぇ、多分大丈夫です、明るい内なら人通りも多いし誰かに聞いてでも帰れますから」



仙蔵が答えるとは首を傾げて何かを考えた後、ぽつりと尋ねた



「お仙さんって…、何処かのお姫様?」



の突拍子も無いその言葉を聴いた仙蔵は思わず飲んでいたお茶を噴出しそうになる



「ち、違いますけどどうしてそんな…」

「あ、ごめんなさい。だってお仙さん綺麗だけど何だかこう…、凛としていると言うか気品があるような感じがして…」



むせた反動で涙目になりながら尋ねる仙蔵を見ながらは慌てて答えた



「…もし私が何処かの姫だとすれば、護衛の一人や二人連れて歩きますよ」

「そ、そうですよね、私ってば変な勘違いしちゃって……、でも」



はそう言うと目の前の仙蔵を真っ直ぐ見つめて呟いた



「お仙さんて本当に浮世離れしてる位綺麗だから…」

「…………、」

「ご、ごめんなさい変な事言っちゃって…、忘れてください」



は慌てた様子で笑って見せると食器をお盆に乗せて立ち上がり仙蔵に背を向ける

そんなを見て、仙蔵は小さく笑うと食器を片しに行こうとしたを呼び止めた



「…さん」

「何ですか?」

「一宿二飯のお礼と言ってはなんですが、私に出来る事は何かありませんか?」

「え?そんな、気にしないで下さい、私が好きでした事ですし」

「いえ、でもこのまま助けられっ放しで帰るのは流石に私の気が済みませんから」



首を左右に振りながら仙蔵の申し入れを断るを見つめ、仙蔵はにこりと笑った



「何でも良いんです、さんのお役に立てる事が何かあれば、是非」

「…そ、それじゃぁ……、一つだけお願い…聞いて貰っても良いですか?」

「もちろん、私に出来る事でしたら何でも」



仙蔵の笑顔に押されたのか、はおずおずと切り出した



「あの、ちょっと待ってて下さいね」



はそう言うとお盆を一度水場まで持って行き、戻って来た



「えぇと…、それじゃぁ私のお願いなんですけど……」

「はい」



仙蔵の前に改めて座ると、はそのお願いを口にした



「お、お仙さんさえ良ければ、その…、お友達になって欲しいなぁと……」

「…………へ?」

「や、やっぱり駄目でしたか?」



予想外のお願いに仙蔵が思わず素で聞き返すと、は悲しそうな顔で仙蔵を見つめた



「い、いえ…、むしろそんな事で良いのかと思って……」

「はい、お仙さんが良いと言うなら、是非また泊まりに来て欲しいんです」

「…………」



思わず目の前のを見つめたまま仙蔵は固まってしまう

自分の性別は間違い無く男である

しかしの前での自分は女

は女としての自分と接し、そして女である"お仙"を気に入ったのだった

昨日今日限りなら騙しきる事だって出来た

しかし友達になって欲しい等と言われると、それは弱ってしまうものがある

ずっとお仙として今後を騙し続ける事になるし、もし自分が男だとバレてしまったらはどうするだろう?



「あの…、お仙さん……?」



は固まっている仙蔵の顔を心配そうに覗き込んでいる



さん」

「はい」

「お言葉に甘えて、これからもたまにお邪魔させて頂きますね」

「本当ですか?」

「えぇ、さんが良いと言うなら断る理由がないですから」



仙蔵は色々な事を考えていたが、不安そうなの顔を見た途端全て吹っ切れたらしい

にこりと微笑み、そして約束の言葉を口にした

仙蔵のその言葉に、一転しての表情は晴れる

そして本当に嬉しそうに笑いながら、胸を撫で下ろしているようだった



「良かったぁ、迷惑なんじゃないかって思ってたから…」

「迷惑な訳ないですよ、私もさんとは仲良くしたいなって思ってましたから」



仙蔵は微笑んだままそう答える

もちろん建前等では無くこれは本音だ



「(しかし出来れば"お仙"ではなく"仙蔵"としてお近付きになりたかったけどな…)」

「いけない、私そろそろ支度をしないと…」

「あ、それじゃぁ今日は失礼しますね、本当にお世話になりました」



心の中で肩を落としながら呟くと、が思い出したように立ち上がり呟いた

の声で我に返った仙蔵は、同様に立ち上がるとそう言いながら頭を下げた



「いえ、今度は一緒に町でも散策しましょうね」

「えぇ、楽しみにしてます」



無邪気にそんな事を提案するを微笑ましく思いながら承諾の意を示す



「それじゃぁ、お邪魔しました」

「こっちこそ、我侭聞いて貰っちゃって有難う御座いました。道中気を付けて下さいね」



お互い別れの挨拶を交わすと仙蔵は外へと出て扉を閉じ、当たり前の様に忍術学園の方向へと歩き出す

そして人通りの絶えた峠に差し掛かると、素早く茂みへ身を移し女装を解いた



「…何だか本格的に妙な事になってしまったな……」



"お仙"から"仙蔵"へと戻った仙蔵は自分の手を見つめながらため息を付く

約束した以上はもう一度の家に足を運ばねばいけないだろう

その時はもちろん"お仙"として行かなければいけない

しかしそうして今後ずっと騙し続ける事が果たして可能なのだろうか



「……友達として…か」



"女友達"を演じるのは仙蔵にすれば無理な話では無いが、友達と言う感情以上のものを感じてしまった自分をどうするべきなのか



「参ったな…」



仙蔵は片手で額を押さえてそう呟くとトボトボと忍術学園へ帰るのだった



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「あ、仙ちゃんおかえりー!!遅かったね、何かあった?」



仙蔵が忍術学園に帰ると、学園長室に向かう途中で小平太に出くわした



「いや、帰り際ちょっと追われてな…。追手は巻いたが宿が無く困っていたら町の娘に助けられて…」

「へぇ、やっぱり仙ちゃんモテるねぇ」

「それが…、ちょっとおかしな事になって…」

「おかしな事?何々?」



どうせだから、と昨夜の出来事を全て話すと、小平太は大笑いで仙蔵の背中を叩いた



「そっかぁ、仙ちゃん綺麗だもん仕方ないよね!!」

「綺麗については否定しない、だが仕方ないと言われても納得いかん…」

「まぁまぁ、そんでどうするの?これからもお仙ちゃんとして遊びに行くの?」

「…そこなんだよな……、問題は…」



珍しく落ち込み気味の仙蔵を小平太は苦笑しながら見守る



「まぁとりあえずそれはまた今度考えるとして…、良いか?この事は絶対に他言するなよ?特に文次郎辺りには絶対だ」

「え〜、折角面白い話題なのに…」



思わず本音を零した小平太の言葉を聞いた仙蔵は恐ろしい笑みを浮かべて小平太の両頬をつねった



「…小平太……そうか、お前そんなに死にたいか」

うひょれふ嘘です!!おえんなひゃいごめんなさい!!!!!!!!」

「全く…、私はこれでも本気で悩んでるんだからな」



涙目で謝る小平太の両頬から手を離すと仙蔵は小平太に背を向けて学園長室へと歩き出した



「でもさ、仙ちゃんが女の子の事で悩むのって珍しいよね、もしかして好きになっちゃったの?」

「さぁな、だが少なくとも全く好意の無い相手ならこんなに悩んでないだろうな」

「だよねー、そっかぁ、仙ちゃんが恋わずらいかぁ〜」

「…小平太?」

「あ、あー、私これから用事があるんだった!!じゃぁね仙ちゃん!!!!」



またもや地雷を踏んだ小平太は再度頬をつねられる前にと脱兎の勢いで仙蔵の前から消えた



「恋わずらい…か……」



こうして廊下に一人残された仙蔵はぽつりと呟くと、また一つ大きくため息をついたのだった



-END-



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'06/09/11