狩沢と遊馬崎に着せ替え人形ばりに色々な格好をさせられた翌日



「……ん…」



が目を覚まして時計を見ると、時刻は既に10時を回っていた

ぼやけた頭で辺りを見渡すと、未だに寝ている狩沢と遊馬崎が目に入る

昨日は途中からお酒も入り、3人とも何だか良く解らないテンションのまま床で雑魚寝をしてしまったのだった

床に転がる空き缶や衣装を見てが苦笑していると、ふいに遊馬崎が目を覚ました

はまだ寝ている狩沢を起こさないように、小さな声で遊馬崎に話し掛ける



「おはよーゆまっち」

「……?此処は…」

「狩沢さんの家だよ。昨日の事覚えてる?」



上体を起こし寝惚け眼で首を傾げる遊馬崎に、は尋ねる



「あぁ…、結局あのまま寝ちゃったんすね」

「うん、最初は普通だったのに最後の方は2人とも酔っちゃって大変だったよね」

「いやいや、そう言うも結構酔ってたっすよ?」

「ぇー、そうかなぁ?まぁ狩沢さんは結構どころかかなり酔ってたみたいだけどね」

「昨日は大分飲んでましたからねぇ」



は遊馬崎の呟きを聞きながら狩沢の寝顔を見て微笑むと、床に転がっていた携帯を手に取り狩沢に向けた



「寝顔撮っちゃおうっと」

「昨日の仕返しっすか?」

「うん、そんな感じ」



遊馬崎の問いに悪戯っぽく笑いながら、は狩沢に携帯を向けた

カシャ、と擬似シャッター音が鳴り狩沢の姿が携帯の画面に収まる

は満足そうに笑って写真を保存すると再び床に寝転んで布団を被った



「狩沢さんが起きるまでもう一眠りしようかなぁ…」



そう言ってもぞもぞと布団に潜りつつがあくびをすると、遊馬崎は立ち上がってその場で軽く伸びをした



「それじゃぁ自分はそろそろ帰るっす」

「ぇ?帰っちゃうの?」



遊馬崎の意外な返答にが驚いて身体を起こすと、遊馬崎は荷物をまとめながら答える



「酔ってて泊まっちゃったとは言え自分も男の子っすからね」



そう言って転がっている空き缶をある程度脇に避け、遊馬崎はの傍にしゃがみ込んでにやりと意味ありげに笑った



「あんまり男を信用し過ぎちゃ駄目っすよ?」

「……ぅ、うん…」

「男は狼っすからね」

「……ゆまっちも?」



いつもと様子の違う遊馬崎にが戸惑いながら尋ねると、遊馬崎はの頭をくしゃくしゃと撫でた



「自分は脇役なの自覚してるんで大丈夫っすよ」



そう何処となく自嘲気味に呟くと、すぐに立ち上がりに背を向ける



「それじゃぁ狩沢さんに宜しくっす」



背を向けたままそう言い残し、遊馬崎は玄関に向かうと音を立てないように扉を開けて出て行った



「びっくりした…」



取り残されたは遠ざかる遊馬崎の足音を聞きながら、ぱたりと倒れるように横になった



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そんな出来事から数時間後



ー」

「ん…」

ってばー」



ようやく目を覚ました狩沢が、二度寝中のを揺する



「後…5分〜……」



は狩沢に揺すられながら唸る



「後5分ってんなベタな…、って言うかもうお昼だから」

「ふぇ…?」



寝惚けながらも狩沢に布団をめくられ、はようやく目を覚ましてゆっくりと上体を起こす



「おはよー…。もうそんな時間かぁ…」

「流石にちょっと寝すぎちゃったね。ゆまっちも気付いたら居ないし」

「あぁ、ゆまっちなら10時位に帰ったよ」



その場で座ったまま伸びをしながら、は狩沢に答える



「一回起きたんだ?」

「うん。でも狩沢さんがぐっすり寝てたから私もそのまま二度寝しちゃったんだ」



そう言って笑い掛けると、狩沢は苦笑しながら"らしい"と呟いて立ち上がった



「さて、今日はどうする?私はとりあえず本職の方に手を付けるつもりなんだけど」

「本職って、シルバーアクセサリー製作?」

「そうそう」

「ん〜、じゃぁ私は邪魔しちゃ悪いし少し外に出て来ようかなぁ」



が布団を畳みながらそう答えると、狩沢は床に転がる缶を拾いながら首を振った



「別に全然邪魔じゃないよ?」

「ほんと?ぁ、でも私買いたい物あるから、やっぱりちょっと出てくるよ」

「そっか。それなら良いんだけど、あまり気使わなくて良いんだからね」

「ありがと」



そう言う狩沢の言葉が嬉しくて、は笑顔でお礼を言う

床がある程度片付き、服を着替えたは仕事道具を準備している狩沢の背中に声を掛けた



「何か買出し必要な物あったら帰りに買って来るけど、何かある?」

「そうねぇ、今のとこ特に無いけど、何かあったら連絡するね」

「了解。それじゃぁ行って来ます」

「うん、行ってらっしゃ〜い」



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こうして狩沢宅を出たは駅へと歩きながら、携帯電話の画面を見つめていた



「ダラーズかぁ…」



先日入会したばかりのダラーズのサイトにログインしながら、は掲示板に目を通す

髪型を変えた効果があったのか、その後池袋でを見たと言う書き込みは無くなっていた

と言うか、以前「似た人を見かけた」と書いてあった書き込みすら無くなっている

しかしログが流れるにはまだ然程時間が経っておらず、は首を傾げた



「…削除された、とか?」



そう呟いてみて、ふと臨也の顔が頭に浮かんだ

目的や動機は解らないけれど、臨也ならば情報操作の一環として書き込みを削除する位は平気でやりそうだ

はメールで聞いてみようかどうか迷ったが、何と送れば良いのか解らず結局何もせずに携帯を閉じた

辿り着いたのは東急ハンズで、は店内をウロウロしながら時間を潰す

買いたい物があると言って出て来たものの、実の所は特に何も買う物など決まっていなかった

狩沢は気にしなくて良いと言ってくれたけれど、ただ何もせずに狩沢の家に居るのはやっぱり申し訳無い

折角外に出たのだから、今日もまた駄目元で仕事でも探そうか

そんな事を思いながら、は少し店内を歩いた後に東急ハンズを後にした

昨日と同じ様に求人広告や求人雑誌を探しながら歩いている内に、のお腹がきゅぅと情けない音を立てた

携帯で時間を調べると15時近くだったが、そう言えば起きてからまだ何も食べていない

はひとまず朝飯兼昼飯を食べようと場所を移動した



「とは言えお金はあんまり使えないし…」



いつの間にか駅前に戻っていたがきょろきょろと辺りを見回すと、少し遠くにファミリーマートの看板が見えた



「まぁおにぎりで良いか」



おにぎりならば安いもので100円で済むし、飲み物と合わせてもたかが知れている

は早速ファミリーマートへと向かい、そこでおにぎりを二つとお茶を購入した

何処で食べようかと暫く道なりに進んでいると、何やら辺りが騒がしい事に気付き首を傾げる



「?」



人だかりが出来ているようだったので気になって覗いてみると、人だかりの先では平和島静雄が矢霧誠二を片手で持ち上げている所だった



「…!!」



は思わず出そうになる声を抑え、目の前の静雄と誠二を見つめる



「あの子、君の彼女?」

「そうだ!!」

「彼女、何であんなんな訳?」

「知るか!!!!」



静雄の問いに誠二が怒鳴るように答えたその瞬間、静雄の表情と空気が一変する



「何だぁあぁぁそりゃぁぁぁああぁあぁ!!!!!」



静雄はそう叫んで、まるでボールでも投げるかのように軽々と誠二を投げ飛ばした

誠二は丸々1ブロック程吹っ飛び、幸いにも停車していたトラックの荷台にぶつかり地面へと落ちる

アニメの中では既に見た光景だったが、実際に目の前で人が空を飛ぶ瞬間と言うのは中々に圧巻だった

怖いと言う感情は起こらなかったものの、その迫力にはただ呆然と立ち尽くしていた

静雄は地面に落ちた誠二へと近寄り、再度誠二の首元を掴む



「好きな相手の事を知らねぇってのはよぉ、ちょっと無責任じゃねぇの?」

「人を好きになるのに…、そんな事関係無い!!」

「ぁ?じゃぁ何だよ、どういう理由で運命の人よ?」

「俺が愛しているからだ!!他に答えなんか無い!!」



胸倉を掴まれ持ち上げられているにも関わらず、誠二は静雄に怯む事無く言い切る



「愛を言葉に置き換える事なんか出来やしない!!」



キッパリとしたその言葉はその場で聞いていた人達にも届く程力強く、静雄はじっと誠二を見据える

誠二は宙に浮いたまま、ボールペンを握る右手に力を込めた



「だから俺は…、俺は行動で示す…。彼女を守る、それだけだ!!!!」



そして激昂したまま誠二は静雄の左手にボールペンを突きき立てた

上手く骨と骨の間に入ったのか、手の平を貫通したそれを見て静雄が動きを止める

深々と静雄の手に突き刺さるボールペンに、そこに居た誰もが驚いただろう

も知っていたとは言え、たかがボールペンがそう易々と人体に刺さるものかと改めて驚いてしまった

見るからに痛そうな状況にも関わらず、静雄は不敵に笑った



「臨也よりはずっと気に入った…。だからこれで勘弁してやる!!」



そう言うが早いか、静雄の頭突きが誠二の額にヒットする

静雄の頭が誠二の額から離れた時には、静雄は既にいつもの調子に戻りくるりと背を向けて歩き出していた



「ぁー、抜いたら血出るよなー…。絆創膏買ってから抜こう…。いや、瞬間接着剤の方が良いか…」



当時アニメを見ていた人間ならば誰もが突っ込んだであろう台詞を呟きながら、静雄はの目の前を通り過ぎ駅方面へと去って行く

は振り返って静雄の背中を眺めると、小走りでその背中を追った



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「っあの!!」

「ん?」



先程の現場から少し離れたところで、は静雄に声を掛ける

振り返った静雄がを見下ろし、目が合うと首を傾げた



「何」

「ぇっと、その手の怪我、絆創膏じゃどうにもならないし接着剤なんて以ての外なので、ちゃんとお医者さんに見て貰って下さい!!」



は叫ぶようにそう告げて、やや強引に静雄の左手を掴み持っていたハンカチで手首を縛った後で静雄を見上げた



「このまま心臓より高めにしたままにしておいて下さい。後、もし買うなら接着剤じゃなくて消毒液です」

「ぁ、あぁ…」



見ず知らずの女性に急に畳み掛けるように注意を受け、静雄は少し驚いた顔でを見ている

続けて静雄が何かを言おうとした所で、の携帯が鳴り響いた

がディスプレイを見ると狩沢からの着信で、は慌てて静雄に向かって片手を軽く上げるとそのまま静雄に背を向けた



「っと、じゃぁ私はこれで!!」

「ぁ、おいっ…」



静雄が引きとめた事にも気付かずは走り去り、残された静雄は手首に巻かれたハンカチを見ながらもう一度首を傾げた



「誰だ…アイツ……?」



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静雄の元から去り、路地裏に入ったは通話ボタンを押して電話に出る



「もしもし」

「ぁ、?ごめん、買って来て欲しい物があったんだけど、今大丈夫だった?」

「うん、大丈夫だよ」



少し乱れた息を整えながら、電話の向こうの狩沢に向かって頷く



「えっとねぇ、醤油と歯磨き粉が無かったんだ」

「醤油と歯磨き粉ね…。ぇっと、歯磨き粉って何かこだわりのメーカーとかある?」

「ううん、何処のでもいいよー」

「了解。じゃぁ帰りに買って帰るね」

「よろしく。て言うか何時位に戻る感じ?」

「うーん…、とりあえず18時位には戻るようにするよ」

「おっけー、じゃぁ待ってるね」

「うん、またねー」



狩沢との通話を終え、は壁に寄り掛かりながら息を吐いた



「はぁ……」



そしてゆっくりと先程の出来事を思い返し、ぽつりと呟く



「生シズちゃん、大きかったし格好良かった…!!」



は静雄の姿を思い出し一人頬を緩めた後で、ひとまず現在の展開から今後の展開を思い出そうと頭を捻った

先程の展開から考えると今日は矢霧波江がメインの回で、今頃波江は臨也の事務所を出た辺りだろう

セルティの首に扮した張間美香は帝人の家に行き、セルティは家に戻り新羅に事情を説明する

そして明日になればセルティと臨也が帝人を校門で待ち伏せして帝人の家に行く事になり、

更にそのまま行けばダラーズの大規模集会が行われセルティが吹っ切れて1クール目が終了する予定だったと記憶している



「………」



案外早めにやって来てしまった区切りの時に、は難しい顔をして考え込む

あちらの世界で見たデュラララには2クールに分かれており、1クール目ではあまり物語は動きを見せなかった

本番は2クール目以降で、そこでは帝人を初めとした高校生3人組が臨也の策略によってすれ違いの末に抗争を勃発させる事になっている

がこちらの世界に来た"理由"は未だに何の手掛かりも見つからず解らないままだが、

このまま1クール目が終わり2クール目が始まるまでの半年間、自分はこちらの世界に存在する事が出来るのだろうか

何も解らないまま存在が消えてしまう事だって一つの可能性として充分考えられる

それだけは避けたいと思うものの、今のには自分の身に起きている事すらきちんと把握出来ている訳では無い

そんな状態で出来る事など無いに等しく、は珍しく深いため息を吐いた

考えれば考える程解らない事や不安だらけで憂鬱になるが、ふいに鳴り響いた自分のお腹の音では自分がまだ何も食べていなかった事を思い出した



「どんな時でもお腹は空くもんだよね…」



は自分に呆れたように呟いて、ひとまず南池袋公園に向かいようやく胃に食べ物を詰めたのだった



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「ただいまー」

「ぁ、おっかえりー」



狩沢宅へと帰宅したが眼鏡を掛けて作業台に向かう狩沢に声を掛けると、狩沢は振り返って手を上げた



「はいこれ、醤油と歯磨き粉ね」

「ありがとー」

「ねぇねぇ狩沢さん、今日の夕飯私が作って良いかな?」

「ぇ、いいの?」

「もちろん。居候させて貰ってるんだもん、ご飯とか掃除とか出来る限りの事はやりたいな」



がそう申し出ると、狩沢は目を輝かせた



「嬉しい〜!!じゃぁ是非お願い!!私あんまり料理って得意じゃないから助かるわー」

「あれ、でも別に苦手って訳じゃないんだよね?」

「うん。苦手じゃないけど、別に好きじゃないって言うか…、面倒なんだよね」

「そうなんだ。ぁ、冷蔵庫見ても良い?」

「いいよー。食材は買い溜めてあるから、適当に使っちゃって」

「はーい」

「じゃぁ私はそろそろこっち片付けよっかな」



狩沢はそう言って笑うと、手にしていた道具を作業台に置いてその場で腕を上に伸ばした

は冷蔵庫を開き中を確認する

確かに狩沢の言う通り、野菜や肉などが大雑把な感じで詰め込まれていた



「何作ろうかな…」



食材を物色しながら脳内でいくつかのレシピを思い描き、やがては夕飯の支度を始めた

狩沢もその横で炊飯器をセットし始め、程無くして出来上がった夕飯を2人は机へと運んだ



「じゃぁ早速、いただきまーす」

「いただきま〜す」

「うん、美味しい!!料理上手なんだね!!」

「本当?良かった〜。何か見た目茶色い物ばっかりで地味だけど…」

「美味しい物って基本茶色いもんよ。醤油使えばそれだけで茶色くなるんだし」

「まぁそうだよね」

「うんうん。ふふ、の手料理食べちゃったってゆまっち達に明日自慢しなきゃ」



狩沢は茶碗と箸を手に持ちながら満足そうに笑った



「明日も4人でパトロール?」

「そうそう。も来る?」

「ぁー…、行きたいのは山々なんだけど、明日はちょっと無理かも…」



は本当に残念そうに肩を落としながら答える



そんなを見て狩沢は首を傾げた後に、納得したように頷いた

「そっか、明日も何か起こるんだ?」

「んー…。って言っても狩沢さん達は直接関わらないんだけどね」

「そうなの?」

「うん。でもパトロールの意味はあるから」



は確信には触れないように気をつけて狩沢にそう説明して力強く頷く

の言葉を聞いて同じように頷いた狩沢に、がぽつりと尋ねかける



「ねぇ狩沢さん」

「何?」

「私、狩沢さんや門田さんと実際に出会ったのはつい最近だけど、でも皆の事好きだし信用してるの。これって変かな?」

「別に変じゃないと思うよ?だってお互いが会ったのは最近だけどその前から知ってた訳だし、私だっての事好きだし信用してるもの」



の質問に狩沢は当たり前のように答える



「そうだよね、変じゃないよね。でも…それって相手が男性の場合とかってどうかな…」

「どう言う事?」

「例えば狩沢さんが好きな男性のキャラが居るとするでしょ?」

「うん」

「そのキャラがこう、目の前に三次元として現れたら何て言うか…」

「んー、キャラとして好きとかじゃなくて、本気で恋しちゃうかも」

「やっぱりそうだよね。困るよね…」



狩沢が納得したように呟いた言葉を聞き、はため息をつく



「何々?もしかして誰かに本気になっちゃったの?」

「ううん、違うの。何か誰って言うかもう皆の事が好き過ぎて一人で困惑してる感じで…」

「皆って?」

「狩沢さんも、門田さんも、渡草さんも、ゆまっちも、臨也も、シズちゃんも、今まで会った人全員!!これじゃ私、単なるミーハー女だよねぇ」



そう呟いて頭を抱えて落ち込むを眺めながら、狩沢は笑う



「大丈夫大丈夫。私がと同じ立場になったら絶対同じ状況になるもの」

「そう…?」

「そりゃそうよ。まぁでもこっちがいくら好きでも所詮一方通行な想いだし、それが実る事ってあんまり無いと思うけどね」

「確かに…」

「私はの事大好きだけど、これが男女で万が一実っちゃったりなんかしたらそれはそれで困るもんね」

「益々帰りたくなくなっちゃうよね…。私なんか現実でロクに経験が無かったから余計にそうなる自信があるよ…」



は抱えていた頭から両手を外すと、座ったまま床に寝転がり天井を見上げた

そんなの横で狩沢も同じ様に床に転がると、二人はやがて女ならではの会話で盛り上がり始め、

お互いの恋愛観などを話し合っている間にも、着々と時間は流れて行くのだった―




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